それから15年…

就職して都会で暮らしていた俺に実家から電話があり、家の改修工事をするから手を貸してくれとのことで週末に久しぶりに田舎へ帰ることになった。大規模な改築のようで仮住まいへの引越しがあり、年寄りだけでは手が回らず男手が必要ということだった。

あの日自分の体に生えてきたちんちんを何気なく触りながら、わが故郷へと高速で向かう新幹線の窓の外へ目をやる。落ち着く暇も無くどんどんと流れていく景色を見ながら、ぼんやりと昔のこと、今までのことを思い出す。社会的にも精神的にもすっかり男として生きてきたこの半生。うっすらとではあるが、幼き日の自分にそれまでなかったはずのちんちんが生えてきたという記憶は持っている。ただ、今までの人生でそれを人に話して理解してもらえたことはないし、そもそもどうでもいいことなのかもしれない。たまたま先天的な病気で男性器の発育が遅かっただけかもしれないし、今こうして健康な男性としての自分があるのだからさほど気にすることでもなく、夢の中に生きている小さい頃の、良くある思い違いの一種のようにも思える。

そんなことをぐるぐる考えていると、気付けばあっという間に地元の駅に着いていた。
片田舎の駅前は閑散としており、頭上から降り注ぐ陽射しだけがやたらと眩しかった。

実家の方向へ向かうバスを待っていると背の高い男がこちらへ近づいてきた。
無表情だけれど、なぜか懐かしさを感じる顔、もしかしたら昔に面識があるのかもしれない。しかし表情をぴくりとも変えないまま、静かに、かつまっすぐにこっちへ寄って来る男の姿はとても不気味だった。 
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遠い記憶の中で声が聴こえた…『ねぱ子、逃げろ!…』

ねぱ子…? …俺の名前は…ねぱおだ…

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次の瞬間には男が眼前まで近づいてきて、視界がいきなり真っ暗になり、体が一瞬で羽のように軽くなる感覚のあと、次第に意識が遠退いていった…

続く

長篇性転換SFアドベンチャーミステリー「ねぱ子の大冒険」事態は急展開!?
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